経団連は20日、1月の地震と9月の豪雨で大きな被害を受けた石川県能登半島の被災地を視察した。十倉雅和会長らが、地震後の火災で焼失した輪島市の「朝市通り」や、七尾市の休業中のホテルの復旧状況を確認。輪島市では、地震被災後に入居した仮設工房が豪雨で浸水し、新たな仮設工房で制作を続けている輪島塗の職人を激励した。
視察後、十倉氏は七尾市内で北陸地域の企業経営者らと懇談。「被災者に寄り添った支援に取り組みたい」と述べ、石破政権に対し「課題解決に向けたスピーディーな対応をお願いしたい」と要望した。
能登の復興支援策を含む総合経済対策に関しては20日、自民、公明、国民民主の3党が合意した。十倉氏は記者会見で、対策に盛り込まれる「年収103万円の壁」見直しについて「働く世代の可処分所得を多くするという意味で、われわれも同じ思いだ」と歓迎。その上で、「社会保険の壁や財政の問題をトータルで議論してほしい」と強調し、厚生年金保険料の負担が生じる「年収106万円の壁」なども含む社会保障制度全体の見直しにつなげるよう訴えた。
[時事通信社]