博士号を取得した専門人材の就職を支援するため、政府がまとめる企業や大学向けの手引の骨子案が20日、明らかになった。企業に対し、博士人材に見合う初任給の設定を求めたほか、大学と企業のトップ会談や共同研究所の設置を通じて産学連携を一段と強化する方針も盛り込んだ。
21日に開く経済産業省と文部科学省の有識者会議で骨子案を示す。来春にも手引をまとめ、企業や全国の大学などに配布する方針だ。
日本の博士号取得者は海外と比べ少なく、企業での活用も十分に進んでいない。高い専門性を持つ人材を企業が採用しやすい環境を整え、イノベーション(技術革新)を促進する狙いがある。
骨子案によると、企業には適性に応じた異動や経営層への登用を可能とする人事制度を整備し、博士人材が活躍できる環境を整えるよう要請。採用活動の通年実施や、職務内容を明確化して成果で処遇する「ジョブ型雇用」の導入も求めた。
大学に対しては、博士人材の就職活動支援を行う組織や担当者を置くことに加え、働きながら博士号を取得できる環境の整備を促した。
[時事通信社]