【ワシントン時事】トランプ次期米大統領が、行政の無駄を省き、歳出削減を図る新組織「政府効率化省」のトップに指名した実業家のイーロン・マスク氏は20日、既存法に基づいた大統領令により、肥大化した行政をスリム化する意向を明らかにした。連邦政府歳出で年間5000億ドル(約78兆円)以上の削減を目指す。
マスク氏は、共同トップを務める実業家ビベク・ラマスワミ氏と米紙ウォール・ストリート・ジャーナルに寄稿して明らかにした。削減分のうち15億ドルは国際機関への資金供与という。
マスク氏らによると、「効率化省」は最近の最高裁判決を参考に、大統領令で執行を即座に停止し、見直しや撤廃のプロセスを開始できそうな規制のリストをトランプ氏に提示する。こうした議会の法制化手続きを経ていない「違法な規制」から個人や企業を解放すれば、米経済を活性化できるとした。
マスク氏らは「大半の行政決定や裁量的な支出は、民主的に選ばれた大統領や、大統領に指名された高官によって行われていない」と主張。連邦政府の調達契約も問題視し、支出を一時停止する間に大規模な会計検査を行うことで、大幅な節約が可能になると訴えた。
[時事通信社]