和歌山市で昨年4月、岸田文雄前首相の遊説中に爆発物が投げ込まれた事件の取り調べで、和歌山地検の男性検事が、黙秘する木村隆二被告(25)=殺人未遂罪などで起訴=に対して侮辱するような不適切発言をしたとして、弁護人が最高検に抗議していたことが21日、分かった。
最高検は、録音・録画された取り調べの様子を調べるなどした上で、「不適正だった」と認定した。
事件は昨年4月15日に発生。岸田前首相が応援演説のため訪れていた和歌山市の雑賀崎漁港で爆発物が投げ込まれ、警察官と聴衆の男性が軽傷を負った。木村被告は現行犯逮捕され、同年9月に殺人未遂や爆発物取締罰則違反(爆発物使用)など五つの罪で起訴された。
弁護人によると、昨年5月に木村被告と接見した際、「取り調べで検事から侮辱するようなことをいくつも言われた」と伝えられた。同被告が引きこもりの生活をしていたことに触れ、「かわいそうな木村さん」と話すなど、不適切な発言が複数あったという。
[時事通信社]