美容医療のトラブル増加を受け、厚生労働省の専門家検討会は22日、医療機関に対し年1回、都道府県に安全管理状況を報告するよう求めるなどの対応策をまとめた。同省は今後、法制化も視野に、具体的な運用方法を検討する。
美容医療は施術の幅が広がり需要が高まる一方、皮膚障害や不当な契約の訴えが相次いでいる。自由診療であるため保険診療に比べ行政の指導範囲が限定的で、施術や契約の内容が標準化されていないことが一因とされる。
対応策では、医療機関が安全管理指針の整備状況や、合併症が起こった際に患者が相談できる連絡先などを年1回報告するよう求め、都道府県が内容を公表する。
美容医療では診療録などの内容が不十分で保健所が適切な指導を行えない事例があり、患者が希望した処置や実際の施術内容の記載を徹底させる。
また、関係学会には施術の標準的な手技や、患者の身体に異常が生じた際の対応、契約書面に記載すべき内容をまとめたガイドラインを策定させる。
国民生活センターによると、美容医療に関する被害相談件数は2015~20年度は年2000件前後で推移していたが、23年度は6200件以上と大幅に増えた。
[時事通信社]