【ニューヨーク時事】米証券取引委員会(SEC)のゲンスラー委員長は21日、トランプ次期大統領が就任する来年1月20日に退任すると表明した。暗号資産(仮想通貨)に好意的なトランプ氏は選挙戦中、業界に厳しい姿勢を取ってきたゲンスラー氏を「解任」すると宣言していた。ゲンスラー氏はトランプ氏就任を待たず、自ら降りる意向を示した格好だ。
ゲンスラー氏は声明で「われわれの資本市場を世界最高の状態に保てたことは生涯に一度の名誉だった」と振り返った。自身を指名したバイデン大統領に謝意も表した。大統領がSEC委員長を解任するには、不正行為や職務怠慢などの正当な理由が必要とされている。
SECは近年、ゲンスラー氏の下で仮想通貨業者への締め付けを強化。業界は、仮想通貨という新興資産を既存の枠組みで規制しようとしたゲンスラー氏に反発し、トランプ次期政権ではより協力的な政策が展開されると期待している。
[時事通信社]