こども家庭庁は2025年度、母子家庭や父子家庭のひとり親の就業を後押しするためのモデル事業を実施する方針だ。地域の関係機関による連携強化や、「就業支援コーディネーター」の配置を通じて、就業先となる企業の掘り起こしや、新しい職場への定着などを支援する。
ひとり親の就業を巡っては、給付金を通じた資格取得の支援などを既に行っているが、働き方のミスマッチで職場への定着に結び付かないケースが指摘されている。具体的には、看護師資格を取ったものの、夜勤が多くて子どもを世話しながらでは難しいなどの例があったという。
このためモデル事業では、ひとり親本人の意向や職務経歴の把握を徹底するとともに、就業する職場の拡大などに力を入れ、ミスマッチ解消を目指す。
関係機関の連携強化では、自治体の担当部局、商工会議所、経営者団体、ハローワークなどでネットワークを構築。人手が不足している分野を把握し、ひとり親の雇用に積極的な企業の掘り起こしやマッチングを進める。
就業支援コーディネーターは、自治体の担当部局の職員らが務める。ひとり親本人の意向などを踏まえ、資格取得に関する助言や就職先のあっせんを行う。就職後の定着のためのフォローアップにも取り組む。
モデル事業は、複数の都道府県、市区町村で実施し、国が1自治体当たり4300万円を補助する方向。民間企業やNPO法人への委託も可能とする考えだ。
[時事通信社]