国土交通省は、観光客の交通手段を確保するため、一般ドライバーが自家用車を用いて有償で客を運送する「ライドシェア」の導入を支援する事業を今年度内にも始める方針だ。運行管理をタクシー会社に限る「日本版ライドシェア」に参入する事業者などに対し、車両や多言語対応した配車アプリの導入費用の3分の2を補助する。
ライドシェアを巡り、同省はIT事業者らの参入を認める「全面解禁」には慎重な立場だが、日本版ライドシェアや、自治体やNPO法人が運行する「公共ライドシェア」は推進している。
インバウンド(訪日客)が急増する中、地方では移動の「足」の確保が課題となっており、対応を強化したい考え。補助の対象は、タクシー会社や自治体、観光地域づくり法人(DMO)などを想定している。今年度補正予算案に関連経費を盛り込む方向で調整している。
これとは別に、同省は宿泊施設や観光施設による客の送迎を集約・効率化する実証事業も始める方針だ。現在は、各施設が個別に駅までの送迎を行っているが、実証では自治体やDMOなども実施主体とする。全国10地域程度を選び、費用の3分の2を補助。客の需要に応じて最適な運行ルートを割り出すシステムの導入などを進める。
[時事通信社]