【マニラ時事】フィリピンのサラ・ドゥテルテ副大統領は23日、記者会見し「ヒットマンを雇った。私が殺されるようなことがあれば、マルコス大統領らを殺害するよう指示している」と述べた。サラ氏やその父ドゥテルテ前大統領らとマルコス氏一族の関係は、来年5月の中間選挙を前に悪化の一途をたどっており、サラ氏の発言も一段と過激になっている。
サラ氏は会見で「マルコス氏の妻といとこの下院議長も対象だ。これは冗談ではない」と言明。「ヒットマンには最後までやり抜けと命じた」と語気を強めた。
サラ氏はこれまで、マルコス氏について「首を切り落としたいぐらい無能だ」と指摘。「私たち家族に対する攻撃をやめなければ、マルコス氏の父、マルコス元大統領の墓を掘り起こして遺骨を南シナ海に捨てる」などと述べていた。
マルコス氏が今年初め、公職の任期を制限している憲法の規定の見直しに言及したことから、ドゥテルテ一家が「大統領任期の延長を模索している」と猛反発。両家の間に亀裂が生じ、サラ氏は6月には兼務していた教育相などの辞任を表明した。下院は現在、サラ氏の公金不正使用疑惑に関する公聴会を開いている。
[時事通信社]