【バクー時事】アゼルバイジャンで開催中の国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)は23日、会期を延長して大詰めの交渉を続けた。途上国の温暖化対策のため先進国が拠出する資金について、目標額をどこまで上積みして合意できるかが焦点。会議に出席している浅尾慶一郎環境相は同日、議長国が2035年までに「年3000億ドル(約46兆円)」とする新たな案を閣僚級会合で示したが、意見はまとまらなかったと記者団に明らかにした。
浅尾氏は、大幅な引き上げを求める途上国が反発し「交渉は中断している」と説明した。
COP29は、先進国が年1000億ドル(約15兆円)を拠出している資金について、25年以降の新たな目標の設定を目指している。温暖化の影響を受ける途上国は大幅な増額を要求。一方、先進国は、中国などを念頭に温室効果ガスの排出量が多い新興・途上国も資金を出すよう求めている。
議長国のアゼルバイジャンは22日、成果文書の草案を提示。先進国が主導し、途上国に35年までに年2500億ドル(約39兆円)を拠出する目標を明記。資金源として、先進国の公的・民間資金のほか、新興・途上国による拠出も含めるとした。
ただ、議長案は先進国の主張に配慮した内容で、途上国が反発。このため23日に、目標額を引き上げたが、再び折り合わなかった。議長国は引き続き各国と調整を続けているとみられるが、合意できるかは不透明だ。
[時事通信社]