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最高指導者に武器管理一元化=拡散防止、クーデター阻止の見方も―タリバン

時事通信 2024年11月25日 14時0分

 【ニューデリー時事】アフガニスタンのイスラム主義組織タリバン最高指導者アクンザダ師が、武器の管理権限を自らに一元化する通知を出した。武器の拡散を防ぐ目的に加え、有力幹部の力をそぎ、クーデターを阻止するためとの見方がある。

 通知は、アクンザダ師の事前承認なしに武器を配備したり使用したりすることを禁じている。タリバン暫定政権のムジャヒド報道官は8日、地元メディアに発出を認め、「武器を適切に管理し、不要な状況での使用を防ぐため」と説明した。

 タリバンはアフガンの実権を武力で奪還する過程で、2021年8月に撤収した駐留米軍が現地に残した武器を奪った。米国防総省の議会向け報告書によれば、撤収時に米軍が残した武器や軍用機、装備品などは計約71億ドル(約1兆900億円)相当に上る。

 高性能の米国製武器はタリバンと関係が深い隣国パキスタンのイスラム武装勢力「パキスタン・タリバン運動(TTP)」にも渡り、地域の治安を不安定化させている。

 パキスタンとインドが領有権を争うカシミール地方では、パキスタン側から侵入した武装集団が米国製のライフル「M4カービン」を使用していたと報じられた。アフガンから流れた可能性が高いといい、インドにとって脅威となっている。

 一方、関連組織や戦闘員への武器配備はこれまで内務省や国防省などが担っていた。それぞれを率いるハッカニ内相やヤクーブ国防相は暫定政権内部で力を増しており、アクンザダ師が警戒感を強めているとされる。特にハッカニ氏は昨年、公の場での演説で同師を暗に批判したことがある。こうしたことから、今回の通知は、同師の地位を脅かしかねない有力者から権限を奪うことに真の狙いがあるという観測が少なくない。 

[時事通信社]

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