【シドニー時事】オーストラリア政府は25日までに、SNS運営企業に対し偽情報や誤情報を排除するよう求める規制法案の成立を断念した。検閲につながる恐れがあるとの懸念が広がり、全野党が反対。与党・労働党が過半数を割っている上院で可決が見込めず、廃案に追い込まれた。
労働党政権は9月に法案を提出。当局に強力な監視機能を付与するほか、SNS運営企業が適切な措置を取らなかった場合に最大で世界売上高の5%相当の罰金を科すと定めていた。
野党側は「言論の自由が脅かされる」「恣意(しい)的に運用されかねない」などと批判。法案は11月上旬に下院を通過したが、上院では反対多数の情勢を覆せず、ローランド通信相は24日、豪メディアに「法制化の道は断たれた」と述べた。
[時事通信社]