【ベルリン時事】国連薬物犯罪事務所(UNODC、本部ウィーン)は25日、「フェミサイド(女性を狙った殺人)」に関する2023年版の報告書を発表した。世界全体のフェミサイドの犠牲者は約8万5000人で、身内が加害者のケースが約6割を占めていたと推計。約10分に1人が身近な人に殺害された計算だと指摘し、「女性にとって家庭が最も危険な場所だ」と強調した。
世界で起きた殺人事件中、2割は対象が女性で、このうち親密なパートナーや親類に殺害された被害者は約5万1100人に上った。男性が対象となった殺人事件の犠牲者のうち、身内による犯行の被害者は11.8%にとどまった。
地域別では、人口10万人当たりで身内に殺害された女性の人数が最も多かったのはアフリカで、米州、オセアニアと続いた。
[時事通信社]