政府・与党は、頻発する豪雨災害に備えるため、鉄道事業者が取得した設備に対する固定資産税を軽減する特例措置を設ける方針を固めた。12月に取りまとめる2025年度税制改正大綱に盛り込む。事業者の負担を軽くすることで、橋の補強や斜面の崩落防止などの対策を促す。
特例措置では、橋脚をブロックで補強して橋の流失などを防いだり、線路沿いの斜面をコンクリートで固めたりする対策を想定している。25年4月から27年3月末までの2年間、固定資産税の課税標準額を軽減する方針。所管する国土交通省は現行の標準額の3分の1とするよう求めており、今後政府・与党内で詰める。
豪雨災害で河川に架かる橋などが被害を受けると、復旧に長期間を要するケースもある。20年の熊本豪雨ではJR肥薩線で複数の橋が流失し、今も一部区間が不通となっている。気候変動に伴い、今後も災害の激甚化が見込まれる中、特例措置の創設で橋や線路などの補強を促進し、災害時の地域の足の確保や鉄道ネットワークの維持を図りたい考えだ。
[時事通信社]