違法薬物の購入をばらすと脅し、精密機器大手「オリンパス」のシュテファン・カウフマン元社長兼最高経営責任者(CEO)(56)から現金を脅し取ったとして、警視庁薬物銃器対策課は28日までに、恐喝容疑などで、自称カメラマン金子高明容疑者(44)を再逮捕した。黙秘している。
同課によると、金子容疑者は2~6月、違法薬物購入の口止め料や家族の安全を保証する名目で、カウフマン元社長から23回にわたり、計915万円を受け取ったとみられる。
受け渡しはビルの外階段などで行われ、いずれも現金でやりとりされていた。カウフマン元社長は遅くとも2022年9月以降、金子容疑者から複数回、コカインなどを購入していたとみられている。
再逮捕容疑は6月、秘匿性の高い通信アプリ「テレグラム」のメッセージで「会社やマスコミ、警察にばらすぞ」とカウフマン元社長を脅し、現金50万円を受け取るなどした疑い。
金子容疑者は「購入をやめたい」と言ったカウフマン元社長に「悪いやつらをあなたや家族のところに送り込む」「大きなねずみが(株主)総会に忍び込む」などと脅迫。口止め料などとして2500万円の支払いを求める「契約書」を作成し、カウフマン元社長に渡していた。
金子容疑者は9月、カウフマン元社長の違法薬物購入を告発する手紙をオリンパスに送付。相談を受けた警視庁が捜査に乗り出した。同元社長は10月28日に辞任した。
金子容疑者は今月7日、カウフマン元社長に違法薬物を譲り渡した麻薬特例法違反容疑で警視庁に逮捕され、その後起訴された。カウフマン元社長も同容疑者から薬物を譲り受けた容疑で書類送検され、27日に在宅起訴された。
[時事通信社]