総務省が29日公表した2023年の政治資金収支報告書によると、政治資金パーティーの収入を巡り、国会議員の資金管理団体でトップ10の平均利益率は85.5%だった。有力者による「荒稼ぎ」の実態が改めて鮮明になった格好。総額の首位は、自民党の武田良太元総務相が代表を務める「武田良太政経研究会」の2億3855万円だった。
対象は、1回当たりの収入が1000万円以上の特定パーティー。開催日が前年や翌年以降の場合も、23年中に発生した収支は金額に含めた。
武田氏は10月の衆院選で落選したが、党派閥の裏金事件の渦中にあった旧二階派の事務総長を務めていた。東京都内のホテルで4回開催し、収入は前年比21.5%増。裏金事件の逆風が強まりつつあった23年12月にも、1700人規模のパーティーで1億254万円を集めた。
2位は岸田文雄前首相の「新政治経済研究会」。6回のパーティーで1億3161万円の収入を得た。23年は首相在任時と重なる。費用は1075万円。トップ10の中で利益率は91.8%と最も高かった。
3位は日本維新の会を離党した鈴木宗男参院議員の「21世紀政策研究会」(1億973万円)、4位は自民党の林芳正官房長官の「林芳正を支える会」(9084万円)、5位は遠藤利明元総務会長の「新風会」(9083万円)だった。
利益率に関しては、トップ10のうち岸田氏に次いで麻生太郎最高顧問(90.7%)、茂木敏充前幹事長(89.5%)が高かった。
政党や派閥なども含め、23年にパーティーを開いた政治団体は前年より17団体多い352団体。収入総額は前年比5.8%増の86億7600万円だった。
[時事通信社]