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シリア政権軍が空爆強化=ロシアと連携、反体制派に対抗

時事通信 2024年12月2日 20時50分

 【イスタンブール時事】内戦が続くシリアでアサド政権への攻勢を強める反体制派勢力に対し、政権軍は2日、後ろ盾のロシアと連携し、反体制派が制圧した地域へ空爆を強化した。在英のシリア人権監視団が明らかにした。反体制派はほぼ制圧した北部の要衝アレッポに続き、政権支配下にある中部ハマ県へ進攻。政権軍は部隊を増員してハマ防衛を図っており、各地で攻防が激化している。

 人権監視団によれば、政権軍とロシア軍は反体制派が拠点とする北西部イドリブ県やハマ県の各地を空爆し、イドリブでは住宅地や避難民キャンプで市民11人が死亡した。政権軍は2日、アレッポ東方も空爆し「テロリスト数十人が死傷した」と発表した。

 アサド大統領は2日、イランのペゼシュキアン大統領と電話で会談し、「シリア全土でテロを壊滅させる覚悟だ」と強調。「(反体制派は)地域と国家を分断し、米国や西側の目標に従って地図を塗り替えようとしている」と非難した。ペゼシュキアン氏も全面的な支持を表明した。人権監視団によると、一連の衝突に伴う死者は2日までに440人を超えた。

 反体制派が進軍したハマ県は、首都ダマスカスと北部を結ぶ幹線道路が貫く交通の要衝。反体制派はハマ県北部の複数の町や村を掌握したと伝えられるが、国営メディアは1日、政権軍がハマ県の北方で「テロリストの侵入を防いだ」として、一部を奪還したと主張した。 

[時事通信社]

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