米インド太平洋宇宙軍のマスタリア司令官は３日、在日宇宙軍の発足を４日に控え、横田基地（東京都福生市など）で一部記者団と懇談した。マスタリア氏は、中国が「宇宙兵器」の配備数を急ピッチで増やしていることに危機感を示し、「対抗できるよう備えなければならない」と強調した。
マスタリア氏は中国による衛星攻撃兵器（ＡＳＡＴ）開発を念頭に、「過去５～１０年にわたり中国が製造している宇宙兵器の数が増えている」と指摘。また、中国は米軍や同盟国の艦艇・航空機などを離れた地点から攻撃するため、多数の人工衛星を使って目標を捕捉、追跡する「長距離キルチェーン」を築いていると警鐘を鳴らした。
その上で「必要な時に（中国の）長距離キルチェーンに対抗できるよう備えておくことが極めて重要だ」と語った。日本との協力を巡っては、航空自衛隊の宇宙作戦群との間で訓練にとどまらず「実際の運用」に関し一体的な計画を策定する必要があると訴えた。
［時事通信社］