豪雨災害から2022年に全線再開を果たしたJR只見線をめぐり、1都4県から集まった高校、大学の各校が利活用の促進と地域振興策を披露するプレゼンテーション大会(主催・福島県)が15日、同県会津若松市の会津大学で開かれる。「只見線全国高校生サミット」と題し、次世代の発想を生かす目的で始まった大会は今年で3回目。今回は大学も初めて参加する。
会津若松(福島県)-小出(新潟県)間の全長約130キロを結ぶ只見線は、自然が豊かで奥深い山あいを縫う秘境のローカル線として知られ、沿線から望める絶景ポイントが多いことでも有名だ。11年の新潟・福島豪雨災害で橋などが流失し、運行が一部区間にとどまっていたが、22年10月に全線で運転を再開した。
15日のプレゼンテーション大会に集うのは、地元の福島県を始め、東京都、宮城県、神奈川県、長野県の高校6校と大学3校。参加校の学生は現地に赴いて、只見線沿線の自治体職員やJR社員、地域活性化の専門家らから話を聞いてきた。
各校は大会で、学習成果を基にまとめた企画案を発表。審査で最優秀賞などが決まる。審査委員には、「乗り鉄」として知られ、メディアに出演している芸能プロダクション「ホリプロ」マネジャーの南田裕介さんらが名を連ねる。
羽生宏史・福島県只見線管理事務所長は「前2回大会の企画は実際の事業に活用した。県外の参加者もいるので、高校、大学生の皆さんには新たな視点や若いセンスで提案してもらい、施策づくりのきっかけにしたい」と期待を寄せた。
[時事通信社]