国民民主党が石破政権に硬軟両様の構えで、看板政策の受け入れを迫っている。2024年度補正予算案に反対する可能性もちらつかせながら要求を強めつつ、政治改革では立憲民主党など他の野党と一線を画して与党への配慮も示す。双方の駆け引きが続いている。
榛葉賀津也幹事長は6日の記者会見で、所得税が課される年収の最低ライン「103万の壁」見直しに対する与党の姿勢を「話にならない」と批判。政府・与党が今国会成立を目指す補正予算案について「賛否を考え直さなければならないかもしれない」とけん制した。
榛葉氏がやり玉に挙げたのが、税制改正に関する6日の自民、公明、国民民主の3党協議だ。与党が「壁」見直しに伴う税収減少幅の試算を示したが、榛葉氏は「粗い」と指摘。榛葉氏はガソリン税減税にも与党が消極的だとして反発した。
国民民主は6日、ガソリン税を一時的に引き下げる「トリガー条項」凍結解除のための法案を衆院に提出した。
一方で国民民主は、政治改革では野党内で独自路線を取る。企業・団体献金禁止を求める立民や日本維新の会と距離を置き、有識者を含めた丁寧な議論を提案。週明けの9日には、政治資金を監視する第三者機関を国会に設置する法案を単独で提出する。他の野党との法案共同提出は「政策活動費廃止」のみにとどめる方針だ。
衆院政治改革特別委員会での審議は10日にも始まる。自民は総合経済対策に続き、政治資金規正法再改正でも国民民主の協力に期待する。立民は「自民案に乗るのではないか」(中堅)と警戒している。
与党は衆院で過半数を割っており、予算案や法案の成立には野党の協力が必要だ。石破茂首相は6日、国民民主の浜口誠政調会長らと面会し、薬価制度の見直しに関する政策要望を受けた。
[時事通信社]