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「要配慮支出」争点に=非公開拡大も、野党が批判―予算委

時事通信 2024年12月6日 20時12分

 自民党の政治資金規正法再改正案を巡り、政党からの支出先などを非公開にできるとした「要配慮支出」が争点の一つとなっている。野党は6日の参院予算委員会で「法の趣旨は透明にすることだ。隠そうとしている」(立憲民主党の小沼巧氏)と追及したが、石破茂首相(自民総裁)は「ごくごく限定的な、国益を考えた支出」だと反論した。10日にも始まる法案審議で激しい攻防が繰り広げられそうだ。

 自民案は使途公開が不要な現行の「政策活動費」を廃止。一方で「外交上の秘密」や「法人や団体の業務の秘密」に該当したり、支出を受けた個人が収支報告書への記載を拒否したりする場合は非公開にできると定めた。

 野党は要配慮支出の規定が拡大解釈され、政策活動費に代わる「第2のブラックボックス」(立民の野田佳彦代表)になるとみて批判の矛先を向けている。

 首相は予算委で「抜け道としていいかげんなことをやろうとしているのではない」と主張。国会に設ける第三者機関「政治資金委員会(仮称)」に領収書の写しを提出し、非公開が適切かどうかの監査を受けると説明した。

 首相は国交がない国との交渉を例示し、「何月何日、どこで誰と、というようなことが明らかになると、全容が分かってくる。出してはいけないものがある」と述べた。北朝鮮との交渉が念頭にあるとみられる。

 ただ、外交を理由とすることには、5日の衆院予算委で日本維新の会の青柳仁士政調会長が「政府の官房機密費(内閣官房報償費)を使えばいい」と疑問を呈した。政党による対北朝鮮交渉は、政府と党の「二重外交」との批判も招きかねない。

 法人への支出内容を非公開とする必要性について、首相は小沼氏に対し「例えばわが党が『小沼産業』に(業務などを)発注したらしいと明らかになると、そんな会社とはもう金輪際付き合うのやめだ、みたいなことだってないとは言えない」と述べた。

 6月に成立した改正規正法では、政策活動費の領収書を10年後に開示するとした。小沼氏は「(要配慮支出の)領収書に国民の目が触れる機会はあるのか」と問うたが、首相は明言を避けた。

 自民は6日の総務会で、再改正案を了承した。要配慮支出について「政治資金を透明化する中で理解が得られない」との異論も出た。自民案は9日に提出され、野党7党が提出済みの政策活動費廃止法案と併せ、10日にも衆院政治改革特別委員会で審議入りする予定だ。 

[時事通信社]

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