【ワシントン時事】米首都ワシントンの連邦控訴裁判所は6日、短編動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の禁止法を巡り、米運営会社と中国親会社の字節跳動(バイトダンス)が法律の施行差し止めを求めていた訴えを棄却した。禁止の権限があるとする司法省の主張を支持する判断を示した。
ティックトック側は、禁止法は米憲法が保障する表現の自由を侵害しており、違憲と訴えていた。控訴裁は判決で、憲法修正第1条が「米国内での表現の自由を保護するものだ」と指摘した上で、「米政府は海外の敵対国家からこの自由を守り、米国でのデータ収集を制限するために行動した」と結論付けた。
さらに「ティックトック利用者は代替メディアを探す必要があるが、その負担は米国の安全保障に対する中国の商業的脅威のせいだ」と断じた。
ロイター通信によると、ティックトック側は最高裁に上訴する計画という。
禁止法は、米国のデータが中国に流出し、安保上の懸念があるとして、バイトダンスがティックトックの米事業を売却しない場合、国内でのアプリ配信を禁じる内容で、4月に成立。来年1月に施行される。
ティックトックは米国でも若年層を中心に普及。トランプ次期大統領は今年3月、米テレビのインタビューで「なくなれば、子供の不満が高まる恐れがある」と話すなど、禁止には消極的とみられ、就任後の対応が注目される。
[時事通信社]