【パリ時事】2019年に大規模火災が起きたフランス・パリ中心部の観光名所、ノートルダム大聖堂で7日、修復成功と5年8カ月ぶりの再開を記念する式典が行われた。マクロン大統領のほか、トランプ次期米大統領、ウィリアム英皇太子、ウクライナのゼレンスキー大統領ら大勢の招待客が列席。「人類共通の財産」の復活を祝った。
大聖堂では8日、再開後初のミサが執り行われた。一般公開も同日から。
7日の式典は鐘の音を合図に始まった。パリ大司教が大聖堂の扉をつえでたたき、「開門」。懸命の消火活動で被害拡大を食い止めた消防士と修復作業の関係者が万雷の拍手で迎えられると、大聖堂の正面に「メルシー(ありがとう)」の文字が映し出された。
マクロン氏は「世界(の人々)は再建され、美しくなった大聖堂に再会するだろう」と演説。フランシスコ・ローマ教皇からお祝いのメッセージも届き、堂内は聖歌隊の歌声とパイプオルガンの荘厳な響きに包まれた。
式典にはバイデン米大統領のジル夫人や米実業家イーロン・マスク氏も招かれた。荒天によりプログラムの一部は直前で変更を余儀なくされた。
火災は19年4月に発生し、屋根や尖塔(せんとう)が焼失した。失火とみられているが、出火原因の特定には至っていない。約7億ユーロ(約1100億円)の工費は世界各地からの寄付で賄った。外部工事は続くため、建設用クレーンや足場の撤去は先になる。
[時事通信社]