大学生らを扶養する親の税負担を軽減する「特定扶養控除」の対象を巡り、アルバイトなどをする子どもの年収の上限を現在の103万円から2割以上引き上げる案が政府・与党内で浮上していることが10日、分かった。単純に2割を上乗せすると、124万円程度まで伸びる計算だ。学生バイトの「年収の壁」の見直しによって、働き控えの解消につなげる狙い。11日に開かれる自民、公明、国民民主3党の税制調査会長による協議で具体的な引き上げ幅を検討する。
特定扶養控除は、19~22歳の子を持つ親の税負担を軽減する仕組みで、所得税の場合、親の所得から63万円を差し引いて課税する。子の年収が103万円を超えると対象外となるため、範囲内に収まるよう働き控えをする要因とされている。国民民主が自公両党に年収要件の引き上げを求めていた。
6日に行われた3党の税調会長協議で、現在103万円としている特定扶養控除の年収要件引き上げで合意。与党は次回会合で具体案を提示する方針を示していた。2割以上の引き上げは、国民民主が「10月ごろに103万円の枠を使い切り、働き控えをする学生が多い」と主張していることから、残りの2カ月分として浮上した。
[時事通信社]