東京都世田谷区で2000年12月、宮沢みきおさん=当時(44)=一家4人が殺害された事件で、警視庁成城署捜査本部は10日、犯人は中2階北側にある浴室の窓から出入りしたとの見解を初めて明らかにした。間もなく事件から24年となるのを前に、改めて情報提供を呼び掛けた。
捜査本部によると、事件発覚時、浴室の窓は開いており、網戸が下に落ちていた。窓は地面から約3.4メートルの位置にあり、高さ約1.8メートルの鉄製フェンスをよじ登れば侵入可能という。玄関ドアは施錠されており、捜査本部は犯人が浴室の窓から侵入、逃走したとみている。
また、事件発覚時、1階にあった電話機のACプラグがコンセントから抜けていたことも新たに判明した。
同庁はこれまでに延べ29万人超の捜査員を投入してきた。現場では10カ所以上から犯人のものとみられる血液が検出されており、犯人はA型で身長170センチ前後の男とみられている。
現場には犯人が着用していたとされる黒色ジャンパーやラグランシャツ、マフラー、手袋、靴などが残されていた。ラグランシャツは00年8~12月までに14都道府県で計130枚販売されたが、うち12枚しか購入者が判明していないという。
同庁の佐藤雅一捜査1課長は「絶対に犯人を検挙しなければいけない」と語気を強め、「00年のスナップ写真やビデオに犯人と同じシャツを着ている人物がいないかどうか、見返してほしい」と訴えた。
[時事通信社]