【ソウル時事】韓国の尹錫悦大統領が「非常戒厳」を宣言した際に国会に投入された部隊を指揮した陸軍の郭種根特殊戦司令官は10日の国会質疑で「大統領から直接電話で(本会議場の)扉を壊して議員を引きずり出せと指示された」と証言した。戒厳解除が決議されるのを防ぐ狙いだったとみられる。また、3日夜の戒厳に先立つ1日に、金龍顕前国防相から戒厳令に関する任務を指示されたと説明した。
戒厳が宣言された後、国会では議員秘書らが障害物を置くなどして、国会に派遣された兵士が本会議場に到達するのを防いだ。尹氏は「まだ議決の定足数に達していないようだ」と郭氏に兵士の進入をせかしたという。戒厳解除の決議は4日未明に成立した。
郭氏は、空砲や電気の遮断などの手段を取れないか検討したが、現場指揮官が反対。郭氏は「無理やり入れば兵士が犯罪者になったり、けが人が多数出たりする問題があると判断し、それ以上進入しないよう指示した」と強調した。
[時事通信社]