衆院予算委員会は11日午前、石破茂首相と全閣僚が出席し、2024年度補正予算案に関する2日目の基本的質疑を行った。首相は、自民党が政治資金規正法再改正の同党案に盛り込んだ「公開方法工夫支出」について、上限額を設けず、領収書も公開しない考えを示した。立憲民主党の黒岩宇洋氏への答弁。
首相は、相手方などを非公開とする支出は「ごく例外的」なものに限ると強調。国会に設置する監査機関の実効性を高める方策について自民内で検討を重ねていると述べた。
再改正の規正法施行前に、使途公開の必要がない従来の「政策活動費」を支出する考えがあるかどうか黒岩氏が尋ねたのに対し、首相は「完全に使わないとは断言できない」と答えた。
首相は北方領土問題に関し、日本政府がロシア側に対して色丹島と歯舞群島の「2島返還」の方針を取ったことはないと明言した。立民の岡田克也前幹事長の質問に対し、「2島(返還)にしちゃったとか(2島)先行論だとか、そういう立場を政府として確定したことは一度もない」と述べた。
岡田氏は、安倍政権下の18年にシンガポールで行われた日ロ首脳会談を機に日本政府は2島返還にかじを切ったと主張した。首相は「4島の帰属問題を解決し、平和条約を締結する方針は全く変わっていない」と説明。18年のシンガポール合意と併せ、4島の帰属を解決して平和条約締結を目指すと明記した1993年の「東京宣言」を挙げ、「これまでの日ロ間の諸合意、諸文書を踏まえて交渉に当たる」と語った。
日本維新の会の前原誠司共同代表は、教育の無償化や奨学金の返済免除を要望。首相は「与党全体で検討する」と述べるにとどめた。
[時事通信社]