【パリ時事】フランスのバイル新首相(73)は16日、パリの首相府に主要政党幹部を招き、組閣協議を開始した。マクロン大統領による13日の任命を受け、格付け大手はフランスの信用格付けの引き下げを決定。バイル氏は圧力に直面する中、金融市場の懸念払拭に向けた迅速な行動が求められている。
バイル氏は協議で施政方針を説明し、不安定な政局の打開へ左右勢力の結集を要請。協力が難しい場合でも、内閣不信任案には同調しない緩やかな支持を求めていく。仏メディアによれば、クリスマス前の内閣樹立を目指している。
バルニエ前首相は欧州連合(EU)基準を大幅に超過した財政赤字を削減するため、緊縮型の2025年予算案を提出した。しかし、ばらまきを主張する左派と増税反対の極右が反対。下院で内閣不信任決議が可決され、予算案も否決された。
各党は臨時のつなぎ予算を確保し、公共サービスが途絶える「政府閉鎖」を回避する必要性では一致。ただ、越年後に仕切り直しとなる25年本格予算案の審議で意見が一致するかは不透明だ。
[時事通信社]