【パリ時事】デンマーク領グリーンランドで17日に釈放された反捕鯨団体シー・シェパード(SS)創設者のポール・ワトソン容疑者(74)を巡っては、フランスのマクロン大統領らが日本に引き渡さないよう、デンマークに圧力をかけた。フランスは動物愛護の立場から反捕鯨が世論で、容疑者の支持者も多い。
5日に総辞職したバルニエ仏内閣のパニエリュナシェ環境相は17日、SNSに「ほっとした。釈放を歓迎する」と投稿。SSを祝福した上で「集団での動員が奏功した。全員の勝利だ」と主張した。
日産自動車元会長カルロス・ゴーン被告を担当した弁護士らが弁護団を結成。「日本の司法・監獄制度は100年遅れている」などと訴えた。
カナダ出身のワトソン容疑者は今年7月に拘束される前、家族とフランスに住んでいた。拘束後、支援者の助力で仏国籍の取得を申請。AFP通信によれば、釈放後は家族の元への「帰国」を望んでいるという。
バロ仏外相は10月、ワトソン容疑者が「正当で高潔な大義を守っている。私もフランスも(大義を)共有している」と述べ、国籍取得に賛成だと表明していた。
[時事通信社]