自民党派閥の裏金事件を巡り、旧安倍派の萩生田光一元政調会長は18日、衆院政治倫理審査会で弁明に臨んだ。2004年に当時の派閥事務局長から、政治資金パーティー券の販売ノルマ超過分のキックバック(還流)を政治資金収支報告書に記載しないよう、事務所スタッフが指示を受けたと説明。「国民に多大な疑念を抱かせ、政治不信を招いたことについて、改めて深くおわびする」と陳謝した。
萩生田氏は03年の衆院選で初当選。その翌年には、事務所として還流の仕組みを把握していたことになる。ただ、自身については「本件が問題になって以降、事務所担当者から聴取して初めて認識した」と述べた。
旧安倍派の柴山昌彦元文部科学相も政倫審に出席し、14年ごろに不記載を指示されたと発言した。柴山氏は04年に衆院議員に就任しているが、萩生田氏の証言と違いがみられた。
旧安倍派の還流に関しては、派閥会長だった安倍晋三元首相の指示で22年4月にいったん廃止を決定しながら、その死去後に継続された経緯が明らかになっていない。
[時事通信社]