熊本県警玉名署の巡査だった渡辺崇寿さん=当時(24)=の自殺を巡り、県に計約6200万円の賠償を命じた熊本地裁判決について、県は18日、控訴しないと発表した。原告側も控訴せず、期限が過ぎた19日、判決が確定した。
県警監察課の有働智大次席は「職員が亡くなった要因は長時間勤務にあった。県警に責任がある」と説明。宮内彰久本部長は「当時の勤務環境の整備が十分ではなく、尊い命を失わせてしまったことについて、深くおわびする」とのコメントを出した。
渡辺さんの母、美智代さん(64)は「県警がやっと認めてくれてほっとした」と話した。
熊本地裁は4日の判決で、渡辺さんが2017年、過重な業務で精神障害を発症し、自殺に至ったと認定。上司が残業時間を削減するなどの措置を怠ったとし、県に注意義務違反があったと判断した。
[時事通信社]