ユニバーサル・スタジオ・ジャパン（ＵＳＪ）のチケット購入後、キャンセルや転売を認めない規約条項は違法だとして、ＮＰＯ法人「消費者支援機構関西」（大阪市）が合同会社ユー・エス・ジェイ（同）に条項の削除などを求めた訴訟の控訴審判決が１９日、大阪高裁であった。徳岡由美子裁判長は、条項は適法と判断し、一審に続き原告側の訴えを退けた。
判決で徳岡裁判長は、任意にキャンセルできるようになれば、高額転売を目的とするチケットの大量購入を防ぐのが困難になる恐れがあると指摘。キャンセル条項には「相応の合理性がある」と判断した。
転売禁止条項についても、高額転売を防止し、消費者が定価でチケットを購入できる効果があるとして、「消費者に一方的な不利益をもたらすものではない」と述べ、消費者契約法には違反しないと結論付けた。
ＵＳＪはチケット購入の際の利用規約で、インターネット経由で購入したチケットのキャンセルや転売を原則禁止している。機構側は、「消費者が急な予定変更などで来場できなくても返金を受けられない」などと訴えていた。
［時事通信社］