北九州市のファストフード店で中学3年生2人が刺され、女子生徒(15)が死亡した事件で19日、近くに住む無職平原政徳容疑者(43)が逮捕された。決め手になったのは防犯カメラと車のドライブレコーダー。福岡県警小倉南署捜査本部は、残された映像をつなぎ合わせる「リレー捜査」で容疑者の特定にこぎ着けた。
捜査本部によると、調べた防犯カメラやドライブレコーダーは計百数十台に上る。当初は目撃証言などから北の方向に徒歩で逃げたとみていたが、防犯カメラなどに同容疑者の姿は映っていなかった。このため改めて現場付近の映像を確認したところ、店の駐車場に不審なワンボックスカーを発見。リレー捜査の結果、平原容疑者が浮上した。監視を続け、逮捕前日の18日に同容疑者の車と特定し、逮捕状を請求した。
19日朝、捜査員が自宅1階の窓ガラスを割って2カ所から突入。平原容疑者は椅子に座っており、抵抗する間もなく逮捕されたという。
逮捕後に記者会見した捜査幹部は「15歳の将来ある子の人生を奪った許しがたい、卑劣極まりない犯行。不眠不休で必ず捕まえるという気持ちで臨んできた」と強調した。防犯カメラ映像を公開しなかった理由については「逃げられる恐れがあった」と説明した。
[時事通信社]