北九州市小倉南区のファストフード店で中学３年生の男女２人が殺傷された事件で、男子生徒（１５）への殺人未遂容疑で逮捕された無職平原政徳容疑者（４３）の自宅と車への捜索で、事件に使われたとみられる刃物が福岡県警に押収されていたことが２０日、捜査関係者の話で分かった。刃物は複数押収されており、県警小倉南署捜査本部は鑑定を進め、事件との関連を詳しく調べる。
県警は同日、平原容疑者を送検した。
捜査関係者によると、同容疑者が逮捕された１９日の家宅捜索で、事件で使われたとみられる黒色のワンボックスカーや自宅から、複数の刃物が見つかった。男子生徒の目撃証言と似た特徴のものもあったという。
ファストフード店内の防犯カメラには、灰色の上着と黒色のズボン姿で黄色いサンダルを履いた平原容疑者とみられる男が映っていた。同日の捜索では、同じ特徴の衣類やサンダルも自宅から押収された。
捜査本部によると、事件は１４日午後８時２５分ごろ、同区徳力の「マクドナルド３２２徳力店」で発生。塾帰りの中島咲彩さん（１５）と、一緒にいた男子生徒の２人が注文のレジの列に並んでいた際、入店してきた平原容疑者にいきなり無言で刺された。
中島さんは腹に傷を負い、搬送先の病院で死亡が確認された。男子生徒は右腰を刺され、深い傷を負った。平原容疑者は黒色のワンボックスカーで事件の約１５分前に同店の駐車場に到着。事件後もこの車で逃走した。
［時事通信社］