【シドニー時事】オーストラリア宇宙庁は、月面探査で土を採取するため開発しているロボット「ルーバー」の試作機を公開した。完成すれば、米航空宇宙局(NASA)が2027年半ば以降に行う有人月探査「アルテミス計画」に参加する予定だ。
豪宇宙庁は17日、設計を競わせていた産学複合体2チームのうち、シドニー大や鉱業大手BHPなどで構成する「ELO2」の案を採用すると決定。ルーバー製作や打ち上げ後の運用もELO2が担う。開発費として4200万豪ドル(約41億円)が投じられる。
ルーバーの名は、探査機を意味する英語「ローバー」と豪州を象徴するカンガルーにちなむ。スーツケース大で、人工知能(AI)を活用して地球から遠隔操作。NASAは、ルーバーが月で採取する土から酸素を抽出することを目指しており、人類の長期月面滞在につなげたい考えだ。
ELO2のウォリック・ペンローズ氏は「歴史的な事業に参加できて光栄だ。成功に向け、メンバーの能力を結集させたい」と意気込んでいる。
[時事通信社]