帝国データバンクが24日までに明らかにしたところによると、経営統合の協議入りを表明したホンダと日産自動車の双方と取引関係のある国内企業は、部品メーカーなど9000社超。両社は基本合意書で「サプライチェーン(供給網)の最適化」に取り組むとしており、今後、下請け企業などの再編・統合も加速する可能性がある。
帝国データによると、自動車産業の裾野は広く、両社のサプライチェーン企業は合計4万社超に上る。このうち重複するのは9242社で、売上高1億円以上10億円未満が4507社と約半数、1億円未満が1752社と約2割を占める。
物価高や人手不足に加え、電気自動車(EV)などを巡る開発競争が世界的に加速する中、下請け企業も生き残りに必死だ。ホンダと日産の経営統合が実現すれば、規格の統一や契約見直しなどを新たに迫られ、M&A(合併・買収)などが活発化する可能性がある。
ホンダの三部敏宏社長は23日の記者会見で、「いろいろ議論して(取引先が)納得した上でないと(最適化を)進められない」と強調。各社の事情をくみながら丁寧な対話を重ねる方針を示した。帝国データは「メーカーは市場環境を考慮しつつ下請法を順守し、公正な取引条件を整えることが求められる」と指摘している。
[時事通信社]