東京女子医大の新校舎建設を巡る背任事件で、同大付属病院「東医療センター」(現・足立医療センター)の移転に伴う新病棟建設工事でも、同大から1級建築士の男(68)に支出された建築アドバイザー報酬のうち、計約5000万円が元理事長岩本絹子容疑者(78)に還流された疑いがあることが15日、捜査関係者への取材で分かった。
警視庁捜査2課は同日、岩本容疑者を背任容疑で送検。新病棟建設工事に関する支出についても、建築士の関与が具体的な実態を伴っていなかった可能性があるとみて、裏付けを進めている。
捜査関係者などによると、同大は2020年3月~21年9月、同センター移転に伴う新病棟建設工事の建築アドバイザーの報酬名目で、建築士に計約1億5000万円を支出した。
関係者の供述や、建築士の口座を調べるなどした結果、このうち、税金を差し引いた額の3分の2に当たる計約5000万円が、建築士から岩本容疑者の側近の女(52)に複数回にわたって現金で手渡され、同容疑者に還流された疑いがあるという。
[時事通信社]