【ワシントン時事】米司法省は14日、トランプ次期大統領が2020年大統領選の結果を覆そうとした連邦議会襲撃事件などを巡る捜査を指揮したスミス元特別検察官の報告書を公表した。スミス氏はこの中で、トランプ氏を起訴に持ち込んだ決断について「バイデン政権からの影響や指示を受けたという主張は笑止千万だ」と強調した。
スミス氏は昨年11月、トランプ氏の大統領選勝利を受けて起訴の取り下げを余儀なくされていた。報告書では、トランプ氏が今月20日に大統領に復帰しなければ「裁判で有罪を得て、それを維持する十分な証拠があった」と明言している。
スミス氏は捜査を振り返り、現職のバイデン大統領率いる行政府内の司法省が、大統領選でバイデン氏に挑むトランプ氏の刑事捜査に乗り出したことを、「極めて異例の事態が生じた」と指摘。その上で「司法省の非党派性という伝統にのっとり、われわれ(検察)の権限で捜査・起訴した」と述べた。
トランプ氏や支持者らは起訴に関して、民主党のバイデン政権による「司法の武器化」「(大統領)選挙妨害」などと非難していた。報告書はトランプ氏が大統領選の結果を覆そうと試みた詳細な証拠を記載したが、そのほとんどは既に公表されている。
トランプ氏は現在に至るまで20年大統領選の敗北を認めていない。さらに大統領に返り咲いた際、21年1月6日にバイデン氏の選出を妨害しようとして連邦議会を襲撃して、有罪判決を下された支持者らに恩赦を与える方針を表明している。
[時事通信社]