浜松市の民家で2022年3月、70代の祖父母ら3人を殺害したとして殺人罪に問われた孫の無職山田悠太郎被告(25)の裁判員裁判の判決が15日、静岡地裁浜松支部であった。来司直美裁判長は「犯行結果は極めて重大」とし、争点となっていた完全責任能力を認めた一方で、解離性同一性障害により「責任能力が相当程度減退していた」などとして、懲役30年(求刑無期懲役)を言い渡した。
公判で検察側は、計画性が高い犯行として無期懲役を求刑。弁護側は「別人格による犯行だ」として無罪を主張していた。
来司裁判長は判決で、被告は過去に被害者らから虐待を受けたことで解離性同一性障害などを発症し、心身の不調に苦しんで、恨みや絶望、怒りの感情から事件を起こしたと認定。完全責任能力があったとする一方、「動機に同情できる点がある」ことや、適切な治療を受ければ更生する余地があるなどとして、懲役30年が相当と判断した。
[時事通信社]