東京都江戸川区の民家で2023年、住人の男性を殺害したとして、殺人罪などに問われた区立中学教諭尾本幸祐被告(38)の裁判員裁判の初公判が16日、東京地裁(中尾佳久裁判長)であり、被告は無罪を主張した。
尾本被告は罪状認否で、「私は犯人ではありません。動機もなく、殺意を抱いたこともありません」と2度繰り返した。
検察側は冒頭陳述で、現場に残された血の付いたマスクや、周辺の防犯カメラ映像などから尾本被告の関与が裏付けられ、退勤時刻を事件発生後の時間に変更するアリバイ工作もしていたと指摘。「被告と男性に特別な人間関係はなく、動機は必ずしも明らかではないが、被告には借金などがあった」と述べた。
弁護側は、事件当時、自宅にいたアリバイがあると主張。「住宅ローンは負っていたが過酷な取り立てはなく、給料も支払われていたため経済状況が殺害動機にはならない」と訴えた。
[時事通信社]