【ワシントン時事】トランプ次期米大統領の就任式まで2日に迫った18日、首都ワシントン中心部で数千人(米メディア)が「反トランプ」デモ集会に参加した。厳しい寒さで小雨の降る中、老若男女の市民が「トランプ氏は有罪。憎悪と戦う」「女性を尊重せよ、われわれは沈黙しない」などと抗議の声を上げた。
デモを呼び掛けたのは、トランプ氏が2017年の1期目の就任直後に数十万人のデモを行った団体などで、関係者の一人は「今回は数万人は集まっている」と話した。参加者は市内3カ所の公園に集まり、合流してリンカーン記念堂まで行進した。
中西部オハイオ州から車で駆け付けたという元看護師のジェーン・ウォークさん(67)は「誰もがトランプの仕返しを恐れている。最高裁も議会も彼を抑えられない。何かをしなければと思って参加した」と話した。ワシントンの大学で教壇に立つ男性(30)は、「これからトランプ氏の4年が始まる。私は民主党員としてこの事実が悲しいし、失望し、悩ましい」と嘆いた。
ワシントン市内は警察官や州兵ら約2万5000人が配置され、道路規制が始まるなど警備が強化されている。ただ、20日の大統領就任式は厳しい寒さのため屋内での実施に変更され、屋外パレードも取りやめとなったことから、道路脇のフェンス設置作業は中断されていた。
就任式に参加するため中西部カンザス州から訪れた夫婦は「就任式のチケットを入手しているのに、屋内施設に入れるのか何の連絡もない。一体どうなっているのか」と不満を隠さなかった。
[時事通信社]