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「黄金時代の始まり」宣言=「米国第一」トランプ大統領就任―不法移民で国家非常事態

時事通信 2025年1月21日 12時12分

 【ワシントン時事】米共和党のドナルド・トランプ氏(78)は20日、第47代大統領に就任し、4年ぶりの復権を果たした。就任演説で「米国第一」を誓い、成長国家として「黄金時代が始まる」と強調。不法移民問題やエネルギー生産を巡り「国家非常事態」を宣言する大統領令に署名したほか、2月1日にメキシコとカナダからの輸入品に25%の関税を課すことを検討していると表明した。

 寒さのため就任式の会場は屋外から連邦議会議事堂内のロタンダ(円形大広間)に変更され、ジョー・バイデン氏ら歴代大統領や財界トップ、外国賓客が出席した。新副大統領には前上院議員のJ・D・バンス氏(40)が就いた。

 屋内での就任式は40年ぶり。トランプ氏は就任後、世界保健機関(WHO)脱退や、気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」からの離脱などを指示し、政策の大転換を印象付けた。

 トランプ氏は演説で「衰退の終わり」を強調。不法移民の大規模送還を最優先に掲げ、南部国境に軍を派遣すると明言した。経済政策については「記録的なインフレを打破する」と公約。エネルギー価格を引き下げ、化石燃料増産や環境規制緩和を進める方針を示した。

 対外面では「ピースメーカー(平和の構築者)になりたい」と述べる一方、「米国は成長国家となり、領土を拡大する」と表明。パナマ運河の支配や米宇宙飛行士の火星着陸を目指すと明らかにした。また、「政府の公式方針として性別は男女の二つのみとする」と語り、多様性を重視して性的・人種的少数派(マイノリティー)に配慮した前政権の政策を後退させた。

 就任式を終えたトランプ氏は議会からワシントン市内のアリーナに移動し、式に出席するはずだった約2万人の来賓客や支持者と「屋内パレード」を観覧した。2021年1月6日に起きた連邦議会襲撃事件の受刑者ら約1500人に恩赦や減刑を施し、記者団に対し、ロシアによるウクライナ侵攻の早期終結やデンマーク領グリーンランドの領有に改めて意欲を示した。 

[時事通信社]

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