【ワシントン時事】トランプ米大統領は20日の就任演説で「富を増やし、領土を拡大し、都市を築き、星条旗を新たな美しい地平に運ぶ」と述べ、拡張主義的な野心をあらわにした。パナマ運河について不当に管理していると中国を批判し、「米国は取り戻す」と強調した。
演説では、米国が1999年末にパナマ運河を全面返還したことを「愚かな贈り物」とこき下ろした。さらに、運河を通航する際に米艦船が「過大請求」などの不当な扱いを受けていると非難した。
また、「火星に星条旗を打ち立てるため、米国人の宇宙飛行士を送り込む」と表明。トランプ氏の大統領選を支援した実業家イーロン・マスク氏は宇宙企業スペースXを率い、火星移住事業を進めており、「後押し」となりそうだ。
20日にはメキシコ湾を「アメリカ湾」、北米大陸最高峰のデナリ(アラスカ州)を「マッキンリー」に改称する大統領令に署名。トランプ氏は演説で「偉大な大統領ウィリアム・マッキンリーの名を復活させる」と宣言。デナリはアラスカ先住民の呼び名で、オバマ政権下の2015年に変更されていた。
就任式を終えたトランプ氏はホワイトハウスで記者団に、デンマーク領グリーンランドに関しても「国際的な安全保障のために必要だ」として領有に意欲を見せ、「グリーンランドの人々はデンマークには不満だが、われわれには満足すると思う」と自信も示した。
[時事通信社]