【ワシントン時事】トランプ米大統領は20日、ホワイトハウスで記者団に対し、中国の習近平国家主席やロシアのプーチン大統領らとの「トップ外交」に意欲を示した。ウクライナ停戦交渉などを自ら主導して「ディール(取引)」を取りまとめる狙いとみられ、首脳会談での交渉を目指す。
「可能性はある。招待を受けた」。トランプ氏は今年中国を訪問するかと記者団から問われるとこう述べ、早期訪中の可能性を示唆した。就任前から不公正貿易のほか、パナマ運河の管理、合成麻薬流入などを巡って対中批判を繰り返してきた。
トランプ氏は政権1期目、自身が「予測不能」であると印象付け、各国首脳を自身のペースに引き込もうとした経緯がある。中国に大幅な関税引き上げをちらつかせており圧力を強めている。
また、時期は不明だとしつつ、プーチン氏とも「会うだろう」と述べ、ロシアによるウクライナ侵攻終結に向け「話さなければならない」と強調した。近く電話会談するとみられている。プーチン氏には「(ウクライナと)取引しないことでロシアを破壊している」と警告し、停戦への歩み寄りを促した。
さらにトランプ氏は1期目に北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記と良好な関係を築いたと誇示し、北朝鮮について「核保有国」との表現を使った。歴代米政権は核保有国と認めておらず、発言の真意は不明だ。仮に一定の核保有を認めて正恩氏との軍備管理交渉に応じる構えを見せれば、核放棄を求める日韓との足並みが乱れる恐れもある。
米国などの仲介で19日に発効したパレスチナ自治区ガザでの停戦の維持に関しては「自信はない」と述べ、戦闘が再開する可能性を示唆。ただ、イスラム組織ハマスは「弱体化した」と強調した。
[時事通信社]