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野党、予算審議で主導権=参考人招致「条件」に

時事通信 2025年1月21日 19時29分

 通常国会召集を24日に控え、最大の焦点となる2025年度予算案の今年度内成立を目指す自民、公明両党は21日、野党への働き掛けを本格化させた。野党はそれぞれの看板政策を予算案に盛り込むよう修正要求する構え。さらに派閥裏金事件の解明に向けた参考人招致を予算審議の「条件」と位置付けており、主導権は早くも野党が握りつつある。

 自公両党と立憲民主党の政調会長は21日、国会内で会談した。自民の小野寺五典氏は「与野党で熟議の国会にしたい」と述べ、25年度予算案などを説明。これに対し立民の重徳和彦氏は日本維新の会、国民民主党と共に求める学校給食無償化や、介護職員の処遇向上策の予算案反映を要請した。重徳氏は記者団に「しっかり審議しない限り、予算がすっと通ることはあり得ない」とけん制した。

 自公は22日、維新、国民民主両党ともそれぞれ政調会長会談を開く。維新は高校無償化を、国民民主は「年収の壁」見直しなどの実現を自公に迫る方針だ。

 予算審議を巡っては、「政治とカネ」の問題への対応も引き続き論点となる。野党各党は裏金事件の経緯などを知り得る立場だった旧安倍派会計責任者(当時)の衆院予算委員会への参考人招致を要求。自民は21日の立民との国対委員長会談で、重ねて反対する考えを伝え、速やかな審議入りに協力を求めた。

 ただ予算委員長ポストを握る立民は、招致実現に向け予算委での議決を辞さぬ構え。立民の笠浩史国対委員長は記者団に、「あとは(安住淳・予算)委員長の判断で、どういった形で議決していくのかということだ」と語った。

 予算審議では、東京都議会の自民会派による政治資金パーティー収入不記載事件もテーマとなりそうだ。「中抜き」する手法などは派閥裏金事件と共通しており、他の自民地方組織にも疑いの目が向けられる。

 新たな裏金疑惑に与党内では焦りが広がっており、公明の斉藤鉄夫代表は21日の政府・与党連絡会議で石破茂首相(自民総裁)に向け「予算案の年度内成立が最大の使命だ。その妨げとなる課題は、自浄能力を発揮し全容解明に努めてもらいたい」とくぎを刺した。 

[時事通信社]

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