国際科学技術財団は22日、2025年の日本国際賞を、青色発光ダイオード(LED)などの素材となる化合物半導体の大規模生産技術を開発した米ジョージア工科大のラッセル・デュプイ教授(77)と、海洋生態系の中で、海草など沿岸の植物が炭素吸収源として重要な役割を果たしていることを明らかにしたスペインのカルロス・ドゥアルテ博士(64)の2人に授与すると発表した。
デュプイ教授は、LEDや太陽電池の素材に用いられる化合物半導体を、高品質で大量に基板上に作製する「有機金属気相成長法(MOCVD)」の実用化に貢献。電子・光デバイスの量産と商用化につなげた。
ドゥアルテ博士は、マングローブや海草などの「沿岸植生域」が大気中の二酸化炭素を取り込み、その死骸が海底に堆積するなどした結果、1000年以上の長期間炭素を貯留していることを解明。海洋生態系が吸収する炭素「ブルーカーボン」の概念を提唱した。
[時事通信社]