【ソウル時事】韓国の高官犯罪捜査庁(高捜庁)は23日、「非常戒厳」宣言を巡り、内乱容疑で逮捕した尹錫悦大統領を同日付で送検したと発表した。尹氏は拘束された15日の初日の取り調べで黙秘し、その後は取り調べ自体を拒否してきた。
高捜庁や警察が構成する合同捜査本部は15日に尹氏を拘束し、19日に逮捕した。高捜庁は送検に際して尹氏の起訴を求める意見を付けた。高捜庁に内乱事件の起訴権はない。2月上旬までに検察が起訴するかを決めるが、既に事件の関係者が次々と起訴されており、尹氏についても同様の判断になる公算が大きい。
最長20日間の拘束期間のうち、高捜庁が10日間取り調べを担当し、検察が残りを担う想定だった。ただ、尹氏の取り調べが難航したため早期の送検を決めた。同庁幹部は記者会見で「起訴の可否を決める検察が追加捜査した方が真相究明のため効率的と判断した」と説明した。
高捜庁によると、尹氏は金龍顕前国防相らと共謀。2024年12月3日に憲法秩序を乱す目的で非常戒厳を宣言し、警察や軍を動員して国会が戒厳解除を決議するのを妨げた疑いがある。
[時事通信社]