【大田(韓国)時事】長崎県対馬市の観音寺から2012年に盗まれ、韓国に持ち去られた仏像の引き渡しに伴う行事が24日、韓国中部・大田で開かれた。引き渡し後、観音寺は所有権を主張していた韓国中部・瑞山の浮石寺に仏像をいったん貸与。浮石寺が5月上旬まで仏像の安寧を祈る法要を行った後、実際に返還される見通し。
行事には、観音寺の田中節孝前住職や浮石寺の関係者、韓日議員連盟の朱豪英会長らが出席した。田中さんは「韓日、日韓の議連など両国の多くの方の助けできょうの席があり、深く感謝する。子々孫々まで大切にしていく」とあいさつした。
朱氏は「今年は韓日国交正常化60年の意義深い年だ」と言及。「今回築かれた信頼と協力が国同士(の関係)にもつながり、国民が行き来し、互いに助け合う大切な縁となればいい」と話した。
仏像は、長崎県指定有形文化財の「観世音菩薩坐像」。韓国人窃盗団が観音寺から盗み、韓国に持ち込んだ。浮石寺は14世紀に日本人の海賊「倭寇」に持ち去られたとして所有権を主張していたが、韓国最高裁は2023年10月、観音寺の所有権を認める判決を確定。返還に向けた調整が進められていた。
[時事通信社]