日本航空の男性機長2人が社内規定を超える量の飲酒をし、乗務した便の出発が約3時間遅れた問題で、日航は24日、鳥取三津子社長と赤坂祐二会長を減給30%(2カ月)とし、ほかの役員3人も処分する方針を明らかにした。過度な飲酒傾向にある運航乗務員をリスト化し、監督を強化するなどとした再発防止策を同日、国土交通省に提出した。
提出後、記者団の取材に応じた鳥取社長は「要所で役員が関わる判断の誤りがあった。大変深く反省している」と述べ、謝罪した。赤坂会長を、安全対策の責任者「安全統括管理者」から解任することも明らかにした。
国交省や日航によると、機長2人は昨年12月1日のオーストラリア・メルボルン発成田行きの便に乗務予定だったが、前日午後に飲酒。同1日早朝の検査でアルコールが検知されたが、会社側は誤検知などと考え、出発を遅らせて2人に運航させた。
2人は同3日に飲酒を申告。日航は翌日の役員会で「国交省に報告する案件には当たらない」と判断したが、赤坂会長の指示を受け、同6日に同省に報告した。同省は同27日、悪質な違反行為だとして日航に業務改善勧告を出し、今月24日までに再発防止策の提出を求めていた。
[時事通信社]