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生存者減少、SNSで否定論=ホロコースト忘却の懸念―アウシュビッツ解放80年

時事通信 2025年1月27日 16時29分

 【オシフィエンチム時事】ナチス・ドイツによる第2次大戦中のユダヤ人大虐殺(ホロコースト)の歴史継承は、戦後80年を迎え、忘却の懸念にさらされている。当時を直接知る生存者が減る一方、若者の間ではSNSを通じて「否定論」が広がる。

 「ホロコーストは作り話で(実際には)起きていない」。ユダヤ人組織「ユダヤ人対独物的請求会議」が23年11月に実施した聞き取り調査によると、18~29歳の回答者のうち、この考えに同意した割合は、ルーマニアで15%、フランスで8%、米国で5%に上った。600万人という犠牲者の数について、「大幅に誇張されている」と回答した若者は、ルーマニアで半数以上、フランスで3人に1人だった。いずれも成人全体と比べて高い割合だ。

 こうした懐疑や否定論はSNSを通じて広まっている。偽情報対策が求められている一方で、SNS各社はこのところ、米メタ(旧フェイスブック)が外部機関によるファクトチェックを廃止するなど、「表現の自由」を盾に投稿管理の緩和を進めている。人工知能(AI)が反ユダヤ主義的な主張を学習し、誤情報を拡散させる可能性も指摘され始めた。

 生存者らは忘却にあらがい証言を続けている。アウシュビッツ強制収容所から生還した独北西部レーア在住のアルブレヒト・ワインベルクさん(99)は、今月20日に外国メディアの取材に応じ、「私たちがこの世からいなくなれば、本を読んで知るしかないが、それは同じではない」と肉声の重みを強調した。左腕に青黒くにじんだ入れ墨の番号は、収容生活を生々しく物語っている。

 同会議によると、23年8月時点でホロコースト生存者は推計24万5000人。大半が80代で、肉声に触れる機会は年々少なくなっている。 

[時事通信社]

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